鍼灸

鍼灸施術は、東洋医学の理論に基づき、特定の身体のポイント、すなわち「経穴（けいけつ）＝ツボ」に、ごく細い金属製の鍼を刺入したり、艾（もぐさ）を燃焼させて温熱刺激を加えたりする施術法です。
その目的は、ツボへの刺激を通じて、人間が本来持っている「自然回復力」を引き出し、身体のバランスを整えることにあります。
その歴史は2500年以上にも及び、現代ではWHOやNIHも、腰痛、頭痛、関節炎をはじめとする様々な症状への有効性を認めています。
伝統的な経験則と、現代科学の知見が融合した、信頼性の高い施術法です。

「鍼」と聞くと、注射針のような太い針をイメージされるかもしれませんが、鍼灸で用いる鍼は、髪の毛ほどの細さ（直径約0.16mm〜0.20mm程度）です。
そのため、多くの場合、刺入時の痛みはほとんど感じません。
もし「チクッ」と感じたとしても、それは一瞬であり、注射のような持続的な痛みはありません。
当院では、鍼はすべて滅菌済みの使い捨てを使用しています。
一度使用した鍼はすべて廃棄するため、感染症などのリスクは一切なく、どなたでも安心して施術を受けていただけます。

鍼が身体にどのような影響を与えるのか、近年の研究によってそのメカニズムが科学的に解明されています。

鎮痛作用

鍼の刺激が神経を伝わって脳に達すると、脳内で「エンドルフィン」という物質が分泌されます。
これはモルヒネに似た作用を持つ、体内で作られる鎮痛物質です。
このエンドルフィンが、痛みの情報を伝達する神経の働きをブロックし、つらい痛みを和らげます。

血行促進作用

鍼が身体に入ると、身体はそれを「微細な傷」として認識し、修復しようとする反応が起こります。
その結果、施術した場所の血管が拡張し、血液循環が大幅に改善されます。
新鮮な酸素や栄養素が運ばれ、痛みや疲労の原因となる老廃物が排出されるため、頑固なこりや筋肉の緊張が根本からほぐれていきます。

自律神経・免疫の調整作用

鍼による皮膚や筋肉への刺激は、交感神経と副交感神経のバランスを整える作用があります。
ストレス過多で興奮しすぎた神経を鎮め、深いリラクゼーションをもたらします。
また、血液中の白血球などの免疫細胞の働きを活性化させ、ストレスホルモンの分泌を調整する効果も報告されています。

美容効果

お顔のツボや筋肉に鍼をすることで、局所の血流を改善し、むくみや肌荒れの改善を促します。
また、筋肉へ直接アプローチすることでリフトアップ効果が期待できるほか、肌のターンオーバーを整え、内側からの美しさを引き出します。

お灸は、「艾（もぐさ）」と呼ばれるヨモギの葉を乾燥させたものを、ツボの上で燃焼させる温熱刺激療法です。
「お灸を据える」という言葉から、熱い・火傷する、といったイメージがあるかもしれませんが、現代のお灸は大きく進化しています。
当院では、皮膚との間にクッションを置く間接灸や、温かさを調節できる器具を用いるため、火傷のリスクはほとんどありません。
「じんわりと温かく、心地よい」と感じる方が大半です。

お灸の温熱刺激は、身体を深部から温め、血行を促進し、免疫力を高めます。特に、以下のようなお悩みに高い効果を発揮します。

冷え性・むくみ

手足の末端が冷えやすい方、むくみが取れにくい方に最適です。

胃腸の不調

胃腸の働きを整え、慢性的な下痢や便秘、食欲不振を改善します。

婦人科系のお悩み

生姜スライスの上でもぐさを燃やす「隔姜灸（かくきょうきゅう）」 などは、冷えからくる月経痛や月経不順に特に効果的です。

疲労回復

温かい刺激が副交感神経を優位にし、深いリラックス状態へと導きます。

当院の最大の強みは、施術に携わるスタッフ全員が「柔道整復師」「鍼灸師」などの国家資格保有者であることです。
鍼灸施術には、胸部や背部への施術において、万が一の「気胸（肺を傷つける）」のリスクが伴います。
このリスクをゼロにするために不可欠なのが、人体の構造を知り尽くした「解剖学」の深い知識です。
当院のスタッフは、国の定めた養成機関で3年以上、解剖学や生理学、病理学を徹底的に学んだ専門家です。
無資格者による施術が散見される業界において、当院の「全員国家資格保有」は、患者様に安全と安心をお約束する「信頼の証」です。

当院では、東洋医学伝統の判断法「四診（ししん）」 を重視しています。
特に舌の色や苔の状態を見る方法やお腹の硬さや冷えを見る方法で、患者様の不調の根本原因となっている体質を見極めます。
さらに、最新の物理療法機器「ハイボルト」 を併用します。
ハイボルトは、手では届かない深層部のどこに炎症や痛みの原因があるかを特定できる検査機器としての役割も果たします。
この東洋医学の判断と先進機器による検査の組み合わせにより、あなたの不調がどこから来ているのかを正確に突き止めます。

当院の目的は、その場の痛みを緩和するだけではありません。
「痛みの出ない身体づくり（再発予防）」 こそがゴールです。
そのために、当院独自の「相乗効果を生む施術エコシステム」 をご提供します。

鍼灸：深層筋の緊張を緩和し、自律神経のバランスを整えます。
ゼロ整体：トムソンベッド などを用い、身体の土台である骨格・骨盤のゆがみを整えます。
EMS（楽トレ）：寝ているだけでインナーマッスルを鍛え、整えた骨格を支えます。

これらを組み合わせることで、痛みを鎮め、ゆがみを整え、支える筋力をつける、という根本改善のプロセスを最短で実現します。

当院は、上尾市のどの院にも負けない、ご家族連れ、特に産後のママに優しい環境を整えています。

専用キッズルーム完備：おもちゃやDVDを備えた専用スペースです。
スタッフによる見守り：女性スタッフがお子様を見守りますので、安心して施術に集中できます。
広大な専用駐車場：院の目の前に8台分の駐車場を完備。雨の日でも、お子様を連れての乗り降りがスムーズです。
女性施術者 在籍：産後のデリケートなお悩みも、女性施術者が在籍しているため安心してご相談いただけます。

産後骨盤矯正 と鍼灸を組み合わせ、骨格のゆがみと自律神経の乱れの両方にアプローチすることで、産後の不調を効率的に改善します。

対象となる6つの疾病であること

神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頚椎捻挫後遺症

医師による「同意書」があること

病院・クリニックを来院し、医師に鍼灸の施術が適当であると認めてもらい、同意書を交付してもらう必要があります。

病院での処置をしていないこと

保険適用の対象となっている病気（例：「腰痛症」）について、同時に病院で処置を受けている場合、鍼灸の保険適用は認められません。
現実的には、腰痛で整形外科から湿布や痛み止めをもらっている方の多くが、３つ目の条件に該当してしまいます。
そのため当院では、病院での処置と併用ができ、施術内容や時間に制限のない、より根本的なアプローチが可能な自費施術 をお勧めするケースがほとんどです。
ご自身のケースが保険適用になるか不明な場合は、お気軽にご相談ください。

細心の注意を払っておりますが、鍼が皮膚の下にある毛細血管に偶発的に触れた場合、皮下で内出血が生じることがあります。
これは医学上の問題はなく、数日～2週間程度で身体に吸収され、必ずきれいに消えますのでご安心ください。
特に美容鍼などお顔の施術をご希望の場合は、この可能性をご了承ください。

施術後、一時的に身体がだるくなったり、眠気を感じたりすることがあります。
これは血行が良くなり、身体が正常な状態に戻ろうとする際の自然な反応（好転反応）です。
通常は1～2日でおさまりますので、当日は水分を多めに取り、ゆっくりとお休みください。

重度の疾患をお持ちの方、発熱時、飲酒後、妊娠初期の不安定な時期など、体調によっては施術をお断りする場合がございます。