EMS

EMSとは、その名の通り「電気的な刺激によって筋肉を動かす」技術のことです。
通常、筋肉は脳からの「動け」という電気信号が神経を通じて伝わることで収縮します。
EMSは、このプロセスを模倣し、外部から電気刺激を直接、運動神経に送ることで、ご自身の意思とは関係なく筋肉を他動的に収縮させることができる機器です。

EMSの施術効果を決定づける最も重要な要素が周波数です。
これは、1秒間に電気が流れる波の数を示します。
この周波数によって、電気が届く深さや体感が全く異なるため、どの周波数帯のEMSを選ぶかが重要になります。

低周波

周波数
0.1Hz～1,000Hz

特徴
家庭用や市販のEMS機器の多くがこの周波数帯です。

体感と深さ
皮膚抵抗が非常に強いため、ピリピリ、チクチクとした痛みを感じやすいのが特徴です。
エネルギーの多くが皮膚表面で消費されてしまい、電流が届くのは皮下数mm程度と浅く、アウターマッスルへの刺激に留まります。

高周波

周波数
10,000Hz以上

特徴
電流の波が非常に細かく、皮膚抵抗がほとんどありません。

体感と深さ
ピリピリとした痛みをほぼ感じることなく、エネルギーを身体の深部まで到達させることが可能です。
周波数によっては皮下15cm以上に達するとも言われています。

課題
高周波は「届ける力」は強いものの、それ自体では筋肉を動かす力が弱いという課題があります。

複合高周波

このジレンマを解決したのが、整骨院などで使用される業務用の「複合高周波EMS」です。
当院が導入している「楽トレ」や「ヴィクトリズム」も、この複合高周波の技術を採用しています。
複合高周波は、高周波の深部への到達力と低周波の筋収縮力を両立させた技術です。
高周波を搬送役として利用し、皮膚抵抗を楽々と突破させ、身体の深部に到達してから、その高周波を体内で変調させて「筋収縮を引き起こす低周波」を作り出します。
これにより、市販のEMSでは届かなかった深層のインナーマッスルに対して、痛みが少なく快適でありながら、非常に効率的なトレーニングを行うことが可能になります。

EMSでインナーマッスルを鍛えることにより、一見すると無関係に見える様々なお悩みの根本原因にアプローチすることができます。

慢性腰痛・姿勢不良の改善

インナーマッスルは、背骨や骨盤を支える天然のコルセットの役割を担っています。
このコルセット機能が衰えると、姿勢が崩れ、その結果として慢性的な腰痛や肩こりを引き起こします。
EMSでインナーマッスルを再教育することで、体幹の安定性が向上し、痛みの出にくい身体の土台を作ります。

ぽっこりお腹の解消

「ダイエットしても下腹部だけが凹まない」というお悩みは、脂肪ではなく内臓の下垂が原因かもしれません。
インナーマッスルは内臓を正しい位置に保持する役割も持っています。
この筋力が低下して腹圧を維持できなくなると、内臓が重力に負けて下垂し、ぽっこりお腹となります。
EMSで腹圧を高めることで、内臓が元の位置に戻り、ウエスト周りのサイズダウンが期待できます。

産後の骨盤ケア・尿モレの改善

出産は、骨盤底筋群に大きなダメージを与えます。
骨盤底筋群は、膀胱や子宮を下から支えるハンモックのような筋肉です。
ここが緩むと、くしゃみや咳で尿が漏れてしまう原因となります。
骨盤底筋群は自力で鍛えるのが非常に難しい筋肉ですが、EMSによる他動的な刺激は、この感覚を再学習するのに極めて有効です。

基礎代謝の向上サポート

インナーマッスルは遅筋という種類の筋肉が豊富で、これは持久力があり、基礎代謝と深く関わっています。
EMSでインナーマッスルを活性化させることは、筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることで、太りにくく痩せやすい体質へと導くサポートになります。

当院の施術の根幹にあるのは、グループ独自の「ゼロ整体」です。
これは、身体にかかる負担をゼロの状態に近づけることを目的としています。
多くの慢性痛は、インナーマッスルの弱化による姿勢の崩壊から始まっています。
手技や骨盤矯正で骨格のバランスを整えても、それを支えるインナーマッスルが弱いままであれば、日常生活のくせや重力によって、いずれまた身体はゆがみ、痛みは再発してしまいます。
だからこそ、当院は施術と予防を両輪で考えます。

カウンセリングと施術

ハイボルトや手技、鍼灸で現在の痛みや緊張を取り除き、トムソンベッドや骨盤矯正で骨格のバランスを整えます。

予防と強化

EMSで、ご自身では鍛えにくいインナーマッスルを他動的に強化し、施術で整えた良い状態を維持できる身体の土台を作ります。

この施術システムこそが、当院が目指す「根本改善」への最短ルートです。
EMSの真の役割は、筋トレを代行することではありません。
長年の不調でインナーマッスルを意識する感覚を忘れてしまった患者様に対し、EMSによる他動的な収縮で腹部の奥が締まる感覚を体感していただくことが最大の目的です。
この感覚を一度掴めば、患者様は日常生活でもご自身の意思でインナーマッスルを活性化できるようになります。
EMSは、そのきっかけを作るための起点であり、施術と並行して食事管理やご自身の意識 を変えていただくことが、根本改善への一番の近道となります。

当院では、患者様の状態や目的に合わせ、「楽トレ」または「ヴィクトリズム」という業務用の複合高周波EMS機器を使用します。
施術中はベッドに横になっていただくだけです。
皮膚抵抗の少ない複合高周波を使用するため、市販品のようなピリピリとした痛みはほとんどありません。
深部の筋肉が「ギュッ」と掴まれて収縮するような、力強い感覚があります。

例えば楽トレは、30分間で約9000回の筋収縮を促す能力があります。
これは、ご自身で腹筋運動を行うのとは比較にならない効率的なトレーニングです。

基本的にはお腹周りや背部にパッドを装着し、体幹全体を強化しますが、症状やご希望に合わせて太ももなど、他の部位に適用することも可能です。

インナーマッスルは、一度鍛えて終わりではありません。
トレーニングを止めれば、筋肉は徐々に元の状態に戻ってしまいます。
当院では、一般的な推奨頻度として、週に1～2回程度 の施術をご提案しています。
特に初めのうちは、筋肉に「正しい状態」を記憶させ、神経回路を再接続させるために、詰めて施術を受けていただく方が効果を実感しやすくなります。

1回あたりの施術時間: 30分
1回あたりの料金: 4,400円（税込）

※お得な回数券などもご用意しております。
患者様の状態や目標に合わせた最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。

初回料金の目安

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※この料金には、詳細なカウンセリング、原因分析、および個別プランの策定を含む「包括的な施術パッケージ」の費用が含まれます。

EMS（楽トレ・ヴィクトリズム）による施術は、健康保険の適用対象外となり、すべて自費施術となります。
健康保険が適用されるのは、「いつ・どこで・どうやって痛めたか」という原因が明確な急性の外傷に限られます。
EMSの目的は、慢性的な症状の根本改善や再発予防、筋力強化、美容目的であるため、保険適用外となりますことをご了承ください。

EMSは非常に優れた施術ですが、安全にご利用いただくためにいくつかの注意事項とリスクがあります。
当院では、施術者全員が国家資格を保有しており、徹底した安全管理とカウンセリングを行った上で施術を行います。

施術を受けられない方

次の状態に当てはまる方は、EMS施術を受けることができません。
患者様の安全を守るため、必ずお申し出ください。

・心臓ペースメーカー、植込み型除細動器など、生命維持装置を体内に埋め込んでいる方
・心臓に重篤な疾患がある方
・現在妊娠中の方
・体内にインプラントが入っている部位
・悪性腫瘍（がん）の既往歴または回復中の方
・てんかんの既往がある方
・血栓症、血友病など出血傾向のある方
・施術部位に傷口や重度の皮膚疾患がある方
・発熱時、急性炎症時

※その他、糖尿病や高血圧、避妊リングを使用中の方などは、医師の確認や許可が必要となる場合があります。
必ずご相談ください。

リスク

EMSによる最も一般的な有害事象は、皮膚の火傷や水ぶくれです。
これは、パッドの装着が不十分な場合や、不適切に強度を上げすぎた場合に発生します。
特に、皮下脂肪が厚い方は電気抵抗が大きくなるため、リスクが高まる傾向にあります。
当院では、国家資格を持つ専門家が、パッドの密着状態を常に確認し、患者様の体感をお伺いしながら強度を微調整することで、こうしたリスクを徹底的に管理しています。
施術中に痛みや違和感（ピリピリ感が強すぎる、熱いなど）を感じた場合は、我慢せずすぐにお申し付けください。